骨密度測定

超音波骨密度測定装置 CM-200を用いて骨密度を測定いたします。

骨粗鬆症とは…

わが国は急速な高齢化社会を迎え、骨粗鬆症の旱期診断と予防治療への関心が高まり、厚生労働省も骨粗鬆症の検診施策を実施しています。

骨粗鬆症とは、骨のカルシウム量が減少し、軽石のようにスカスカになってしまう病気です。進行すると体重を支えることが困難になり、腰痛や脊柱の変形、さらに各所の骨が軽い衝撃によって骨折を起こしやすくなります。骨粗鬆症の患者さんの多くは、自覚症状がほとんどありません。しかし、ちょっとした転倒にもかかわらず骨折に至るケースか少なくないのです。特に高齢者の大腿骨近位部骨折(足の付け根の骨が折れること)は、「寝たきり」になる最大の原因です。寝たきりはQOLが低下するだけでなく、「痴呆」やその他の疾患の原因になることもあり、一般の人たちの間でも、この病気への関心が高まっています。骨粗鬆症は、閉経期を迎えた中年以降の女性に圧倒的に多く、日本には約1000万人の患者がいると推定されています。

なぜ超音波なのか…

骨量を測定する装置にはX線を用いる装置と超音波を用いる装置があります。超音波は妊婦さんの検診や、腹部の検査にも広く使用されている超音波診断装置と同じように、放射線を浴びる危険のない安全な検査です。また、国内外の研究によりX線装置と同等に骨折の危険性を予測する能力があることが確認されています。しかも、小型で取扱が容易なことから、クリニックや検診施設において骨粗鬆症のスクリーニングに広く用いられ、骨折の予防に貢献しているのです。

CM-200は、超音波を用いて踵の骨の超音波伝播速度を測定することにより骨密度を評価する装置です。骨粗鬆症により発生する背骨のつぶれ(脊椎圧迫骨折)や、足の付け根の骨折(大腿骨頸部骨折)は骨の内部にあるスポンジ状の骨(海綿骨)がスカスカになってしまうことが大きな要因です。

一方、踵の骨も海綿骨の割合が90%以上ととても多いため、背骨や大腿骨の状態をよく反映すると言われています。このため、超音波装置では踵の骨を測定しているのです。

踵骨の両側にある振動子によって超音波を送受信させ、踵骨の骨内伝播速度(Speed of Sound )を測定します。
骨の密度が高いほど骨内伝播速度は速くなります。
X線を使用していないため、特別な場所やスタッフを必要とせず、妊娠中の方でも安心して測定できます。